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こんにちは!
(医)SED Smile10デンタルクリニック 歯科衛生士のねぎしです。
今回は大人の矯正の後戻りについてお話していきます。

当院では、ブラケット矯正やインビザライン矯正など、成人向けの望ましい歯並びを目指した治療法をいくつか用意しています。
しかし、矯正治療後に何の処置も行わないと、歯並びが後戻りすることがあり、これを矯正歯科的後戻り症と呼びます。
この現象には、いくつかの説明があります。


リテーナー
矯正治療後の歯並びを正しく保つために、固定式または取り外し式の保定装置(リテーナー)を装着する安定期が必要です。
この期間を設けないと、歯並びの悪さが治療前の状態に逆戻りしてしまうのです。
顔の筋肉に関する理事長のブログによると、これは若い人だけでなく、大人にも当てはまります。
歯並びが悪くなる原因は、舌による不正確な圧力、不適切な咀嚼、顔の筋肉の動きなどですが、いずれも歯並びが元通りにずれてしまう要因になります。
矯正治療が終了した後も、唇を吸ったり、舌を前歯の間に置いたりするような悪い癖がある人は、歯並びが治療前の状態に戻ってしまうので、決められた期間、リテーナーを装着することが重要です。

噛みしめる癖
歯を強く噛む癖があると、強く食いしばることによって歯の状態に大きく影響を与えることがあるので、意識してください。
歯列矯正後、噛み合わせがすぐにずれてしまう人は、歯に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような傾向に対抗するための簡単な方法として、付箋に「食いしばらない!」と書き留めて、パソコンやテレビなど、集中するときによく見る場所に貼り、食いしばりを我慢することを思い出し、意識的にこの行動を改善するよう努力することが大切です。
この「食いしばる」という傾向を改善する為に磨きをかけていきましょう。

姿勢
1日の姿勢です。不自然な姿勢で寝ると、歯がずれやすくなるため、歯並びが悪くなる可能性があります。
指をしゃぶる赤ちゃんが出っ歯になりやすく歯並びが悪くなっていくのと同じですね。
頬杖をつく、うつ伏せで寝るなども歯並びを悪くする原因です。
歯周組織(歯の周り)がどのように反応し、最終的に歯が簡単に移動できるかを判断するのは歯科医師であるため、このような習慣を改めることが必要不可欠です。

親知らず
一般的に、親知らずは思春期の終わり頃に生え始めますが、人によってはかなり遅い時期に生える場合もあります。
その後、矯正治療中に出てこない場合は、矯正治療後に出てくることもあります。
残念なことに、ほとんどの親知らずは正しい位置に生えることが難しく、口の中の他の歯並びを悪くしてしまうことがあります。
そのため、歯科医院で相談し、問題のある親知らずを抜歯して、矯正治療後も満足のいく歯並びが保てるようにすることが必要です。

歯周病
歯を支える骨が健康であれば、矯正による一時的な変動にかかわらず、時間の経過とともに歯槽骨は安定します。
逆に、歯周病で歯を支える骨が減少していると、矯正治療が終了しても歯槽骨の安定はなかなか得られず、傾きがちになります。
歯は一般的に「家を建てる」と表現されますが、外面だけがよく見えても、地盤がしっかりしていなければ弾力性は保証されません。
従って、矯正治療中も治療後も歯周病に注意して定期的なクリーニングを受けることが、歯並びの為にも、歯の為にも長期にみてとても重要です。

せっかくの素敵な笑顔が矯正治療前の状態に戻ってしまった場合、”この治療はうまくいかなかったのか?”と思うかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
歯は加齢とともに変化していくものであり、もし歯並びが悪くなっているようであれば、何か原因があるはずです。

その原因を突き止め、より良い方向に持っていくには、矯正治療の経過を見てきた歯科医に相談するのが一番です。
わかりやすく言うと、矯正や保定が終わった後も、定期的に歯科医院に通い、矯正治療の経過を分析することをお勧めします。
どうしても定期検診の都合がつかない場合は、まずは矯正歯科医のご予約をとるようにしてください。

これまで、大人の矯正歯科治療における後戻りについてお話してきましたが、今次は子供の矯正歯科治療における後戻りについてお話していきたいと思います。
当院で行っているこども矯正「マイオブレイス」は、口呼吸や舌癖など、悪化の原因となるものを改善し、これ以上の後戻りを極力抑えるように設計されています。

鼻が詰まっていることが多く、猫背で姿勢が悪い、口が少し開いたままになっていることが多い。
唇に過度な力が加わり、舌が上あごに密着せず、いびきが常態化している。
喉が腫れやすく風邪をひきやすい、口輪筋が弱いので強く噛むことができず、飲み込むことが困難で、食べるときにカクカクと音がし、指をしゃぶるのが典型的な癖です。さらに、舌が上下の歯の間を走り回る動きが頻繁に見られます。

歯並びで悩むお子様たちは、一般的に前述のような兆候を見せます。
最近の研究では、歯並びは生物学的なものではなく、呼吸や嚥下(えんげ)や舌の位置によって決まることが示唆されています。

これらが最適に行われないと、顎と口付近の筋肉を合わせて完全に成長させることが出来ず、歯並びを整えるための十分なスペースが確保されません。
これは、歯が期待される場所に現れることができないために起こります。

呼吸、嚥下、舌の調音などの機能が阻害され、顎の大きさが小さくなることで、長期的にすべての歯が正しい位置に並ぶことができず、歯列の位置関係が乱れ、障害となっていきます。
歯並びの乱れは、乳歯から永久歯への生え変わり時に瞬時に起こるのではなく、生まれてからの発育過程で積み重なる日々の出来事の結果と言われています。
口呼吸から鼻呼吸への移行、正しい飲み込み方と舌の位置の習得、そして幼少期の健康的な生活習慣の確立により、上顎は大きくなり、歯並びも不正になりにくく、適切な位置に並ぶようになるのです。

子どもの矯正治療は、見た目の変化だけでなく、正しい体の使い方、正しい呼吸の仕方などを指導し、最適な発育を促します。
また、顔の骨格や笑顔が変わることで、自信を持ち、日常生活での適切な姿勢を確立することができます。
さらに、話す能力を強化し、言葉をはっきりと流暢に発音できるようサポートします。
また、バランスの良い食事ができるようになり、健康的な体作りをサポートします。
また、鼻呼吸は病気や感染症を予防する効果もあります。
両側の歯で噛むことは、脳を活性化させ、成長期の脳を大きくするために有効です。
世界保健機関(WHO)は、健康とは身体的、精神的、社会的なバランスのとれた状態であると定義しています。

大人の矯正、こどもの矯正についてそれぞれお話をいたしました。
まとめると、
大人の矯正は歯並びを治しているのでリテーナーの使用が必須です。
もし失くしてしまった場合は通っている矯正歯科に連絡し再製する事をお勧めします。
舌や唇、嚥下の癖、食いしばりなども後戻りの原因の一つですのでご自身の癖を見直していくことも必要です。

こどもの矯正(マイオブレイス)は唇の癖、呼吸、嚥下(ごっくん)の癖、舌の位置を改善する事で上顎骨の成長量、方向を正しいものに変えていく矯正なので後戻りが少ない矯正です。

ご年齢によって最適な矯正方法が変わっていきます。
矯正が終わった後も後戻りしないよう、矯正担当医のお話をしっかりと聞いていきましょう。

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