Smile10デンタルクリニックの山口です。本日は、少し違う視点からお子さんの矯正治療を考えてみましたのでお付き合いください。
先日、カキ養殖についての話を聞きました。びっくりしたのですが、カキは1日になんと180リットルの海水を吸い込み、吐き出しているそうです。180リットルといえば、そうです、ドラム缶1本分です。小さいカキ1個が1日にこれだけ多くの海水をろ過しているのです。私たちは1日にドラム缶分の水を飲むことなんてできないですよね。カキの栄養価 が高いのはこういった理由からです。
それでは良いカキ(おいしくて、栄養価の高いカキ)を養殖するにはどうしたら良いでしょうか?
そうですね、養殖域の海水の質を良くすることが最も大事なことです。それでは、海水の質を向上するためにはどうしたら良いでしょうか? そうです、海に流れ込む川の水の水質を向上させなければなりません。さらに、川の水の水質を向上させるためには川の上流の環境を向上させなければなりません。川の上流の環境を向上させるために必要なことは何でしょうか??
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた気仙沼のカキ養殖漁師の畠山重篤さんは、「森は海の恋人」をキャッチフレーズに気仙沼の海をきれいにするため仲間を集めて植林を始めました。海の環境を良くするためには、上流に目を向けて森を大切にすることが必要なのです。
お子さんの歯並びが悪くなってしまったら、これはお子さんの責任でしょうか?いいえ、これは親御さんの責任だと思います。しかし、40%の小学生に歯列不正が発症している現実、歯並びを決定する0歳~6歳の食育の重要性、お子さんの顎骨の健全な成長を促し歯列不正を事前に予防することができることをしっかりとお母さん、お父さんに伝えていくことは私たち歯科医師の重要な使命であると私は考えています。まさに、歯列不正が発症する前に、その原因に目を向けて改善していくことができる上流医療をもっと皆さんに知っていただけたら、歯科医師として幸せです。