Smile10デンタルクリニックの山口です。今日は、お子さんの歯並びが悪くならずに矯正治療をしないですむにはどうしたらよいか?というお話しをしたいと思います。病気にはならないように予防するが第一です。
先日、何年振りでしょうか、かれこれ20年ぶりに新横浜のラーメン博物館に行ってきました。目的は、札幌の味噌ラーメン「すみれ」です。この味噌ラーメンが昔から好きでした。平日のため、どのお店もそれほど混雑していませんでしたが、「すみれ」だけは行列ができいいました。待つこと10分、テーブルに通され着席すると、隣のテーブルに座る親子連れ3人にちょうどラーメンが運ばれてきたところでした。お子さんは3歳ほどのかわいい女の子。親子は「いただきまーす!」と食べ始めるかと思いきや、お母さんがバックからなんと、はさみを取り出して、女の子のラーメンの麺をチョキチョキとリズムよく細かく切り始めるではありませんか!私は、この光景にびっくりしてしまいましたが、小さいお子さんがいらっしゃるお母さんには普通のことなのでしょうか?もちろんお母さんはお子さんが、食べやすいように麺を切り刻んだのでしょう。
ここで人の歯の役割を考えて見ましょう。人の前歯は、食物を細かく切るのが仕事です。そして、奥歯の仕事は、前歯が細かく切った食物をすりつぶすこと。前歯と奥歯では与えられた仕事がまったく異なるのです。お母さんがはさみで切った仕事は、実はお子さんの前歯の仕事なのです。
顎の骨は生まれてから6歳までに大きく成長します。大人になったときの顎の大きさの80%まで、なんと6歳までに成長してしまいます。身長の伸びは6歳までに65%です。顎の骨の成長の速さは他の骨と大きく異なるのです。この6歳までの顎の骨の成長はお子さんによって異なります。大きな影響を与えるのは、咬む回数です。歯の根っこは顎の骨の中にあります。一生懸命咬めばかむほど、咬む力が骨に加わり顎の骨の成長を促します。顎の骨の成長を考えると6歳までは特に前歯で咬んでほしいのです。たくさん咬んで、6歳までにその子本来の顎の大きさに成長できれば歯並びは悪くなりません。
ラーメンをはさみで切り刻んでいたお母さんは、お子さん思いの本当にやさしいお母さんだと思います。しかし、お子さんのためと思いやっていることがお子さんの顎の発育のチャンスを奪い、その結果歯並びを悪くする原因を作ってしまっているのです。
小学校に入るまで、しっかりと前歯を使って咬む食生活で、お子さんの顎の骨を健全に発育させ、ぜひ健全な歯並びを作りましょう。
センター北 歯医者 スマイルテンデンタルクリニック